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第23回  〜復活! スーパーロボット〜

 半年ぶりのご無沙汰であります。
 ずっと、更新されなかったのは、深いわけ…があれば、様になるんだけども、実を言うと、あまりに忙しすぎて、この原稿を書くのをずっと忘れてたのである。
 担当のウエキョン校長が、これだけ原稿が届かないのに、まったく催促してくれなかったというのも大きな理由である。
 さすがに、半年もほっぽらかしにされていたので、いくらなんでも見捨てられたのか? と不安になってウエキョン氏に確認したらば、どうやら「催促されてから書こう」という私と、「そのうち原稿届くだろう」という担当の呑気さがうまく噛みあってしまったらしい。
 いくら締め切りに甘いWebの記事だからって、なんて呑気な人達なのだろう。私たちって……
 そんなわけで、アニゲの狭間は、なにもなかったように(ホントに何もなさすぎたのだが)再開いたします。

 明日のためのスクランブルだー!

 さて、我がオタクのメッカ日本におけるオタクもの関連の中で、大きなウェイトを占めているのが、70年代〜80年代に活躍したアニメのキャラである。20年前、30年前のロボットやキャラクターのフィギュアやトレーディングカードが、すでに濫造と言っても過言でないほどリリースされ、また、リメイクもされている。なにしろ『マジンガーZ』の新しいプラモデルが、最大手玩具メーカーから新製品として発売されたりするくらいだ。
 ただし『ウルトラマン』『仮面ライダー』といったキャラクターの2大巨頭は別だ。この日本を代表するキャラクターシリーズは、それぞれブランクはあるものの、ほぼ絶え間なく新作キャラクターを創出してきているからだ。いわば常に現役であるのだ。
 しかし、『マジンガーZ』をはじめとする、いわゆるスーパーロボットキャラはそうではない。キャラクターとして世間一般的に見れば、すでに現役ではないはずなのである。
 このようなスーパーロボットがキャラクターとして復活したきっかけは、言わずと知れたゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズだ。かくいう私も、実質上のシリーズ第一作目である『第2次スーパーロボット大戦』に驚喜し、辺り構わず周囲にこのゲームを布教してまわった経験がある。
 全ての民放で新作巨大ロボットアニメが放映されていた、後にいうロボットアニメ黄金時代、すなわち70年代に少年時代を過ごした者にとって、あのシリーズは魂の琴線に触れまくるのである。ゲーム中に、いきなりギルギルガンやピグドロンが登場した時の感動は、いまでも忘れられない。

 いつかみた熱いロボ、それは見果てぬ夢……

 ここからブームに火がつき、ダイナミックプロ系の『マジンガー・シリーズ』『ゲッターロボ(G)』を中心に、過去のロボットキャラ群が一気に脚光を浴びた。
 こうした背景のなか、子供の頃にロボットアニメをリアルタイムで見た世代から、「昔見たような熱い巨大ロボットアニメが、何故いま作られないのか?」という愚痴とも知れぬ問いかけを時々耳にする。
 簡単に言えば、答えは否である。
 もっと正しく答えれば「あなたが子供の時、あなたを熱くしたような巨大ロボットアニメは作れない」ということだ。
 何故か?
 受け手である、あなたが子供ではないからだ。
 子供の時と、大人になったいまとでは、成長する段階で得た多くの経験や知能の発達などといった様々な要因から、脳の中身が違ってしまっているため、同じ面白さでも、その意味合いに大きな変化が生じてしまっているのである。すなわち子供の頃に眠っている感動を呼び起こされるからこそ、私たちの世代は、スーパーロボットを愛し続けてしまうのであって、同様なロボットアニメの新作が現在作られても、子供の頃と同じ感動は味わえないと思う。
 これは『スーパーロボット大戦』から入ったリアルタイムで放映を観ていない新しい世代が、『マジンガーZ』を好きであるということを否定しているわけではない。同じものを見ても、子供と同じ感動は味わえないというだけで、大人には大人なりの味わい方というものがある。だからこそ『真! ゲッターロボ』のような、大人としての面白さが味わえるロボットアニメの企画が生まれるのだ。

 だから、大人になった現在、昔放映されていたロボットアニメを新作として見ても、心に残るかどうか、あの時のように夢中になれるかどうか、甚だ疑問である。
 私は、自分の子供達が、CSで放送されている『マジンガーZ』を夢中になって観ているのを横から眺めているのが好きだ。
 でも、そうしていると、ロボットアニメ『マジンガーZ』は、すでに自分のものではなく、ここで見ている子供達のものであり、大人がどうご託を並べようとも、子供向けに作られたモノは、結局子供のものであると強く感じざるを得ない。
 自分のようなロボットオタクにとって、こう思うことは非常に寂しいことではあるが、大人には大人なりの楽しみかたがある。これまでも否定しては、そもそもオタクなどやってられないのである。
 そういうわけで、今日も、あらたに入手した『超合金魂グレンダイザー・ブラックバージョン』を、子供の目の届かない場所に隠すのだった(笑)

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