*随想*

最も辛い批判とは  No.62
 私は直接メールやサイトで批評をいただいているし、客本意主義な私にとって勉強になることも多い。だが、ネットで自分の作品に関する批評などを極力目にすることを避けている。これは意見の範囲が広すぎてキリがなく、迷ってしまうからという理由が大きい。
 先日、調べものなどをしているときに偶然目にして非常にへこんでしまった。
 その文章は私が手がけた某シリーズ作品に関する批判で、なにが辛いかといえば、批判されることよりも自分の考えとそのお客の意見が明らかに同じであったことである。
 脚本作業というものは小説とは違い、色々なスタッフの意見を伺ってまとめていくものだ。だから、時々その意見は作品的にどうか? というものもある。そんな時、私も当然脚本家の立場から反対意見を述べる訳だが、ゴリ押しされてしまう場合も往々にしてある。脚本家の立場は世間で思われているほど強くないのだ(笑)
 全編、ほとんど脚本家の意見が通らないどころか、監督の意見すら通らない現場も実際にあるし……。
 それも仕事のうちだし、無論そうしたほうが結果的に良い場合も多い。だから、あまりこだわらないようにしているのだが、やはりこういうのを直接見てしまうと辛いなあ。
 そんなわけで、ネットの意見はいまだに怖くて見られないのだった。
2003/12/23



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shiromuku(e3)DIARY version 1.01